伝統工芸品・わっぱ博多曲物
2015.02.13 | リノベーション |
博多の伝統工芸品、わっぱ(博多曲物)。
400年の歴史をもち今もなお受け継がれている、
第十八代目博多曲物柴田玉樹さんにおじゃましました。
曲物とは、杉や檜の柾目の薄板を熱を加えて曲げ、
桜の皮で綴じ底板をつけた器のこと。
金属類が一切使われておらず、非常に軽いのが特徴。
博多曲物の素材は、粕屋郡若杉山から採れる杉や檜。
身近に茂る木を用いて庶民の暮らしに役立てていました。
もともとは神への奉祭具で、神事・正月・婚礼などから、
食料の入れ物、茶道具と幅広いラインナップ。
筥崎神社のある箱崎、馬出で作られていたので
箱崎の曲物、馬出しの曲物とも呼ばれてました。
明治維新後に西洋のブリキやアルミニウムが登場、
第二次世界大戦後はプラスチックや電化製品が台頭。
しかし近年暮らしに潤いとゆとりを求める人々から、
自然素材の良さを再認識されじわじわと人気に。
木を割れば、育った土地の陽当たりやこまめな枝打ちなど
手をかけて育てられたかが一目瞭然なんだそう。
煮立ったお湯に側板を漬け、アクを抜きながら10分~30分程煮て、
柔らかくなった側壁板を巻木に巻きつけて曲げるという作業工程。
食料の入れ物に適している、わっぱの特徴は
杉の抗菌作用で食べ物が痛みにくい
食べ物を入れたときの匂いがよい(檜だとつよすぎる)
ごはんの味がよくなる・・・等が人気の理由。
使い心地の良さから小さい頃から本物に触れさせたいと、
福岡市内の幼稚園から園児用の弁当箱の注文が増えてます。
博多伝統工芸館とデザイナーさんとのコラボお米の形のお弁当箱も。
伝統を守りながら新しいものにも挑戦し続ける姿は、
大変輝いてみえました。